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「倫理教育講師養成研修会」参加 ※日精協主催

みなかぜ病院

「倫理教育講師養成研修会」参加 ※日精協主催

【院外研修レポート】
倫理を“技術”として学ぶ――日精協主催「倫理教育講師養成研修会」に参加しました。

5月15日(木)、アクロス福岡にて開催された日本精神科病院協会主催「倫理教育講師養成研修会」に参加いたしました。
本研修は、全国の精神科医療機関からおよそ50名が集い、精神科看護における倫理教育の担い手を養成することを目的としたプログラムです。
講師 草地仁史(日本精神科看護協会)

◆ 研修のねらい
本研修の最大の目的は、「倫理教育を“継続的に伝える力”を持つ人材を育てること」。
倫理を道徳や感覚で済ませるのではなく、技術として理解し、実践できる力を身につける。そのために、知識と感受性の両面から多角的に学ぶ内容となっていました。

◆ 研修内容(一部紹介)
✅ 精神科看護に求められる倫理観
草地仁史先生(日本精神科看護協会)より、倫理綱領の背景や現場での活用法について、豊富な事例を交えてご講義いただきました。

看護の現場には、いつも「気づかないうちの危うさ」が潜んでいる。だからこそ、“気づける力”=倫理的感受性が必要なのです。
この言葉がとても印象に残りました。

✅ 虐待防止の視点と法改正
2024年4月に施行された改正精神保健福祉法に基づき、精神科病院における障害者虐待防止の具体的な措置や、医療現場で起こり得る「日常の中の虐待の芽」についても考察。
身体的・心理的・経済的虐待、ネグレクト、性的虐待それぞれについて定義と事例を学びました。

✅ 倫理的感受性を育むワーク
午後からはグループワークで倫理的ジレンマ事例に取り組み、「倫理カンファレンス」の形式で多角的に意見を出し合いました。
“善行と無危害のバランス”
“自律と他者の人権の両立”
“違和感やモヤモヤを大事にする姿勢”
など、日常業務の中で埋もれがちな課題を可視化するプロセスがとても有意義でした。

◆ おわりに
「倫理」は感覚や知識だけでは伝えきれないものであり、“技術として習得し、組織として育て合う”ことが必要不可欠であると、あらためて実感しました。

今回の学びを自施設にも持ち帰り、日常業務の中に倫理的視点を根づかせていけるよう、継続的な実践と共有に努めてまいります。